「子供にとって、最高の教育とは?」
子供をもつ、親ならば一度はそんなことを考えたことがある人も多いはず・・・
最近は、幼児教育の大切さを主題とした本、TV番組もありますが、なにもかも同じようにお金をかけることはできませんし、地方にはない教育方法もあり、ましてや、他の誰かの子供が優秀な学力を身に着けたからといって、自分の子供に同じようにしても同じようになる保証はありません。
子供の成長には、あまりに多くの要因が影響しているため、特定することが難しいと言われています。
娘が3歳になり、いろいろと教育について考えていた時に、「学力」の経済学 という本に出会いました。
2015年に発売されている少し古い本なのですが、「今でしょ!」の林先生が話題にしていたのを見て手に取りました。
・ご褒美で釣っても「よい」
・ほめ育てはしては「いけない」
・ゲームをしても「暴力的にはならない」
などというキャッチが目を引きますが、単なる思い込みではなく、データによる証拠がある教育方法を提案しています。
主にアメリカにおける教育の現場のデータを元に、実際に学力が上がった方法を解説しているのですが、なるほどと思うことが多かったです。
ご褒美で釣っても「よい」 → ご褒美のあげ方で効果に違い
ネタバレですが、ご褒美をどの段階で上げるのかが大事ということ。
例えば、学校から帰ってプリントをしたら「100円あげる」とした子と 学校のテストで90点以上とったら「1,000円あげる」と設定した場合、前者のプリントをしたら100円の方が成績が向上した、ということ。
これは、前者の方法は具体的に成績を上げる行為にご褒美を与えたのに対し、後者は結果に対してのご褒美であったこと。
子供は、成績を上げる具体的な方法を学んでいく過程にある場合、まず「勉強のしかた」を勉強することが重要であるとしています。
また、こういうエサで子供を釣るということ自体が好奇心を失わせるのではないか?という懸念も当然あると思いますが、実験では勉強への純粋な好奇心が失われたということはなかったようです。
お金やお菓子というものが、イタダケないと言われる方もいると思いますが、子供が小さいうちは、安物のトロフィーやメダルなどでも効果は十分あるそうです。
読むだけでなく実践、結果として親の勉強にも。
本の内容(データ)はアメリカのものなので、これをそのまま日本の教育に当てはめていくことは難しいと思いますが、発想を参考にすることは出来ます。
また、この本では、幼児教育は重要であるが、お金をたんまりかけて学習面を教育しても、学力やIQなどは塾などの高度な教育によってもたらされた成果は8歳ぐらいであまり目立たなくなるとあります。
それよりも、人に接し、人から学び、獲得する誠実さや忍耐強さ、社交性、好奇心の方が、影響を長く持つとありました。
この本では、そのような体験をした子供が高校、大学、そして雇用されるまでのデータもあり、比較的信憑性があるのではないかと思います。
わたしも、今までは、学習塾に入れることや、いろんな習い事を小さいうちからさせたほうが良いのかな?と思っていましたが、学校の勉強では学べないものを親が与える必要があると感じました。
我が家では、学習塾や習い事などに検討していた予算を半分にして、その残った半分で家族でどこかに出かけたり、いろんな人との体験する"コト消費"に充てることにしました。
例えば、キャンプに行って火を起してみたり、川遊びを友達としてみたり、ワークショップに出かけたり・・・。
おそらくこの本を読んでも、結果としてどのような教育をしようか?というアウトプットは、家族それぞれでまた異なっていくると思いますし、それで良いと思います。
テレビや教育本は、目新しいモノ、話題になりそうなセンセーショナルな教育方法がどうしても視聴率や販売数に結びつきやすい為、いろいろなものが出され、そして消えていきます。
そのような情報に踊らされず、なにが教育として正しそうか?とデータから読み解く科学的なアプローチが子供の教育では重要なんだと思います。